未来教育デザイナー:鈴木敏恵(元中央防災会議専門委員)

◆「リスク教育」をしていますか?◆

みなさんの学校では、「リスク教育」をしていますか?リスクにはいろいろな種類がありますが、特に地震など災害時に対応できる力を子ども達の身につける教育を始めることを提案します。中でも下記の図で被害が予想されるエリアの学校では、ぜひ未来教育プロジェクト学習をプラットホームとして「防災教育」をスタートすることをおすすめします。

 ■東海地震、東南海地震、南海地震が発生した場合の震度分析(出典:中央防災会議専門調査会)

 
↑あなたの学校のある地域の震度はどう?
住宅が密集、崖や河川の付近、津波の心配があるなら、防災教育を!

もちろん地域に限らず、日本中のすべての学校で「防災教育」を実施することは有効かつ必要と言えます。いつでもどこでも災害は起こり得ますし、未来教育プロジェクト学習で防災教育を実践することで、子ども達にその知識やスキルが役立つばかりでなく、「意志」をもち自分で考え判断、行動できる力、そう…ずばり「21世紀を生きる力」が身につくからです。 


◆いままでの「避難訓練」だけではダメ

 災害時に身を助けることに関しては、「公助」「共助」そして「自助」という視点で対応を考えることができます。しかし神戸の震災でもわかったように、広域的な災害が起きたその瞬間には、とても自治体や行政機関が助ける「公助」は間にあいません。いざというそのときは「共助」や「自助」の力を備えていることこそものをいいます。だから、私たち一人ひとりがいざという、そのとき何とかできる防災力を身につける必要があるのです。

災害は、いつどのような状況下でおこるか分かりません。それは、多くの学校で行われてきた、教室に全員いるとき非常ベルが一斉に鳴り、「さあ机の下に!静かに素早く校庭に整列!」と、教師が与えた指示にきちんと従うという定型化した避難訓練だけでは足りません。

◆防災教育は<未来教育プロジェクト学習>で! 

先生がそばにいないときでも、自分で考えて何とかできる力を子どもに育てたい。子どもたちにまずは自分で自分を助ける「自助力」を付けてほしい、目の前の事態を自分の目で見て判断し行動できる力がつく教育がいる。ここに、意志ある判断や行動力が身につく、<未来教育プロジェクト学習>が有効です。

◆<未来教育プロジェクト学習>とは…

<未来教育プロジェクト学習>とは、子ども達がもっている「やる気」や「イメージする力」「ロジカルな思考スキル」「問題解決力」など21世紀を生きる力を最大限に引き出す、新しい学習手法です。それはポートフォリオを主軸に活かし「災害」はもちろん、どんな「学習題材」にも対応できる普遍的プラットホームです。そのスピリットは「意志ある学び」です。

未来教育eラーニング動画サイト = http://www.mirai-portfolio.net/

意志ある学びとは = http://www.yokoken.co.jp/toshie/mirai.html


 子どもたちが主になり、企画・実施した「防災訓練」     2002年11月16日高知市立大津小学校


"その瞬間"自分で何とかできる力を!〜skillよりwill〜

その瞬間、自分でなんとかする! その強い意志:willを子どもたちの身に宿したい。
防災リテラシーそれは知識でもスキルでもなく生きるという「意志」!
災害が起きたその瞬間、目の前の事態を自分の目で判断し、適切な行動がとれるスキルや知識がいる。
しかし一番大事なのは、前向きな強い気持ち:willを持てるかどうかにかかっている!
ここに「意志ある学び--未来教育プロジェクト学習」が活きる。


◆防災教育に有効な情報

内閣府「防災情報のページ」    http://www.bousai.go.jp

防災に役立つリンク集(消防科学総合センターHP内)  
     http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=ZL16&ac2=&Page=hpd_view

消防科学総合センター   http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi 

四国の災害・渇水、情報   http://www.skr.mlit.go.jp/

土砂災害    http://www.sabo.or.jp/                
                        

中央構造線断層図(出典:「地震調査研究推進本部」)

鈴木敏恵 未来教育デザイナー千葉大学教育学部特命教授一級建築士未来派シンクタンク
中央防災会議「 防災に関する人材の育成・活用」専門調査会委員