今回の交流は平成14年5月よりスタートしました。朝、7時過ぎから夕方6時頃までテレビ会議システムをつなぎっぱなしにして牛舎や子牛の成長の様子を加茂小学校に提供してきました。加茂小学校では、テレビ会議システムにより大型スクリーンに映し出される中継画像は、まるで校内の一つの風景になった感もあります。これはあたかも校内のあそこに行けばある遊具のような存在になっています。休憩時間になると何人かで三々五々集まり高農の様子を見て、何も変わりのないことを確認して立ち去っていく、そんな風景が当たり前になっています。
また、今回の交流で、仮死状態のテールを必死で蘇生させようとした高農のみんなの熱い思いと努力、そして、一時は処分が真剣に検討された病気の母牛ビバリー。母牛の命を救おうと寄せられた加茂小のみんなのメッセージ。点滴の様子も、手術の様子も子どもたちが自分のこととしてとらえ、「命」の大切さと食の安全性についてみんなで考えてきました。


7月12日、今回のテールの交流で関係してきた私たちは、予告もなくアイスクリームをお土産に加茂小学校を訪問しました。私たち、高校生活3年間の中でも、こんなに継続的に、昼も夜もなく一生懸命頑張ってきたことは他にはありません。また、最初は、みんなの前でしゃべることがとても苦手で、マイクを向けられるといつも後ろへ下がっていた私(A子)も今では、テレビや新聞の取材にも何とか話をすることができるようになってきました。今回の交流で、私たちも小学生に答えるために一生懸命勉強をしましたし、小学生にわかってもらえるためにはどうすればよいかを真剣に考えました。いろいろな意味で、自分自身成長した気がします。さらに、後輩にとっても、私たちの頑張っている様子は大きな影響を知らず知らずのうちに教えることができたような気もします。


さて、今後の交流ですが、今でも、毎日、牛舎の様子を加茂小学校に送り続けています。マイクを持って、加茂小学校の子どもたちと会話を楽しんだり、テールや他の牛たちの様子を伝えあっています。
この交流は、この後も続けていきたいと思っています。
先日、IT担当の先生からビッグニュースが届けられました。
それは、来年(平成15年5月25日)加茂小学校の子どもたちが加茂小学校の先生にお願いして高松農業高校へ修学旅行で来ることが決まりました。高農に来て、テールにあったり、ビバリーの搾乳を体験したり、農業体験をするのです。私たち3年生は卒業していませんが、今回私と一緒に関わってきた2年生のB子、C君は来年も牛たちとともに高校生活を送っています。
今回の200kmも離れた場所を結んだテレビ会議システムによる交流が思いもしない方向に進み、テールやビバリーが高校生と小学生の心をしっかりと結び止めてくれたことを心よりうれしく思います。