ビバリーの出産の兆候は5月12日(日)の早朝から顕著になり、いつ産まれてもよい状態になりました。朝5時過ぎから、夜を徹して見守り続けてきた高農の生徒たちとカメラを構え、出産の時を今か今かと待ちました。
 一方、加茂小学校は12日(日)は日曜参観日でした。子どもたちは、いつもより早く、「もしかしたら土曜日に産まれているかもわからない」という期待を胸に登校してきました。
 出産は8時30分過ぎから始まりました。高農側では、出産に向けて忙しく動く生徒たち、そして、加茂小学校では5年生の子どもたちと保護者がテレビ会議から流れてくる牛の出産画面に釘付けになりました。

5月12日(日)  母の日に出産(出産の様子)
粘液が出てきました 白い後ろ足が出ています
粘液が出てきました。もう出産は間近か。
7時27分
足が出てきました。残念ながら逆子です。
8時15分
ロープを掛けます ロープで引っ張ります
出てきた後ろ足にロープを掛け引っ張ります。
8時17分
男子4人がロープを引っ張り女子1人がしっぽが
じゃまにならないようにします。乳牛の足の爪は白いんだよ。
8時20分
おなかに力を入れた瞬間引っ張ります 体が見えてきました
立った状態では危険なので寝かせて再挑戦
8時25分
逆子なのでお尻から出てきました。すでに胎内
で破水し羊水を飲んでいるので仮死状態です。
8時28分
飲み込んだ羊水を吐かせます マウスtoマウスで人工呼吸
男子5人で51kgの子牛を逆さにつり下げ羊水
を吐かせます。同時に、口と片方の鼻を押さえ
残りの鼻から空気を送り込み人工呼吸を行います。みんな生き返ってくれと必死です。
8時31分
必死の人工呼吸が続きます。その甲斐があって8時32分、「モー」と鳴き声を上げました。
待望のメス牛です。
やっと産声を上げました 母牛になめられてうれしそう
生き返った子牛をタオルで拭いています。
8時33分
母牛が子牛を優しくなめています。子牛も、う
れしいのか急に激しく動き始めました。
乳牛は、この数分間が親子一緒にいることの
できる時間です。この後、親子別々の生活と
なります。出産時の体重は51kgもありました。
ほかの牛と比べて大きい子牛です。
8時44分

加茂小学校の子どもたちは、この一連のドラマを保護者と一緒に見ることができました。9時、メス牛の誕生と元気な姿を確認して授業のために教室に戻っていきました。

親牛と離された子牛の様子
すぐ母牛と離されます 初乳をすぐ飲ませます
親から離されカウハッチに移動した子牛
8時57分
母牛から搾った初乳をほ乳瓶で飲む子牛
9時5分
テールという愛称がつきました 30分くらいで立ち上がります
母牛担当のA子さん。しっぽが折れ曲がって異
常に短くてしっぽに特徴があるのでいのでテー
ルという愛称がつきました。
9時14分
立ち上がろうと必死のテール
9時19分
繰り返し立とうとします やっと立ち上がりました
「もう疲れちゃった」でもエネルギーを蓄え
次にチャレンジ。
9時27分
何度かの失敗を繰り返しやっと立ち上がることが
できました。ラッキーにも、この時間帯は加茂小学
校では休憩時間に当たり、集まってきた子どもた
ちは大声で声援を送りました。
9時41分
映像は加茂小に送り続けます
外での撮影の様子。このただならない様子を見かけて近所人も集まってきました。