未来教育デザイナー:鈴木敏恵

なぜ国際理解教育か?
 国際理解とは?----ほかの国のことを知ろうとする心

 いまやすべての国は、何らかのつながりで確実に関わっています。だから互いに知ろうとすること、理解しようと歩み寄る国際理解教育は当然必要なのです。ところで、一体、国際理解とはなんでしょう。あらためて考えてみましょう。
 辞書をひけば「国際」とは、いくつかの国に関わっていること、「理解」とは知ろうとすることと出ています。
 つまり、国際理解教育とは、自分のことだけでなく、同じ時代に共に生きるほかの国のことも知ろうとする、その心を育む教育といえるでしよう。
                 
自分たちがほかの国にできること
高い心をもつ教育への転換
 地球時代に必要な教育

 21世紀、インターネットや環境への意識は、離れた国と国をつなげました。今、地球はひとつです。国と国はさらに深く関係しあい、カを合わせ、互いの問題を自分ごととして解決しあい、共に未来に向かわなくてはいけないときに入りました。そこで必要なのは、互いにまず自分の考えをもち、それをしっかり伝えられるカです。そして、なにより文化や歴史がちがうほかの国の人とも共鳴できる心こそ大切です。

 自分に関係ないことなど一つもない。人のことも自分のことと同じように考え解決していく。それが最終的には平和な世界へ近づくことを叶えるのではないでしょうか。いま必要なのはここに応える教育でしょう。それを未来教育プロジェクト学習(以後後、「プロジェクト学習」と表記)は叶えます。
 人間として成長する学習

 プロジェクト学習は、ほかの国のことを調べて発表するという調べ学習ではありません。子ども達の高い心を活かしたゴールを決め、ミッションを胸にチームで向かっていくものです。そのプロセスで子ども達は、人とカを合わせる大切さや知恵や心を分かちあい共に新しいものを生み出す喜び、また、そのために必要な自分の考えを伝えるカなど生きるカを身につけることができます。
 高い心をもつー国際理解教育へ・・・

 経済もスポーツもファッションもすでに世界はひとつです。地球上の国と国は濃密に関わりあって存在しています。そしてどこの国の人も平和を願っています。そのあしたは、今日の教育にかかっています。

 「戦争はよくないことです」「差別はいけません」と教えるだけでは、よりよい未来は叶いません。むしろ、みんなでカを合わせ、価値あるゴールを目指すその喜びを実感できる学習を経験することのほうが平和な未来を築くためにずっと有効です。それは容易ではありません。だからこそ壁を乗り越え、ゴールに達成したときの嬉しさは大きく、それは自尊感情とつながります。その自分を大切に感じる感情は、自分以外の人を大切にする心へと昇華します。自分以外の存在を大切に思う心これこそ国際理解教育の核芯でしょう。



鈴木敏恵 プロフィール未来教育デザイナー千葉大学教育学部講師一級建築士未来派シンクタンク
<意志ある学び-未来教育>プロジェクト学習&ポートフォリオ実践の第一人者。NHK「視点・論点」、新聞などでナレッジマネージメント・IT・感性をコンセプトに教育界に新風を吹き込む未来派シンクタンク。
ロジカルな思考スキル、課題解決力、メディアリテラシー教育、防災教育実践。学校や自治体の未来教育支援プロデュース。現在、思考プロセス重視の戦略的コーチング&ワークショップを全国展開中。 『中央防災会議専門委員』(内閣府) .『文部科学省・総務省連携プロジェクト学校インターネット/次世代IT活用未来型教育研究開発委員』 ・『我が国の宇宙利用推進方策調査審議特別委員』(文部科学省)