フェーズごとの戦略的アドバイス(計画〜情報リサーチ)

 計  画

目的:ゴール達成に必要な、"すべきこと"を考える=計画を立てる。

活動:情報リサーチの計画立て・アンケートづくりなど

全体を見通し目標を達成するためにすべきことを考え、その優先順位を決め、それに基づき細部を決定していく。

実践のコツ:「計画」は言い換えれば戦略だ。その主たる活動は「情報リサーチ」となる。限られた時間のなかで、何を何のために知りたいのか?ここをしっかり事前に決める必要がある。漠然と調べるのではなくて、「自分が手に入れたいものは何なのか?」ここがはっきりしていないと延々と調べる作業がつづいてしまう。

 情報リサーチ

目的:課題解決のために必要な情報を手に入れる

活動:施設訪問・インタビュー・アンケート等

高知市防災対策室/日本赤十字高知支部/高知気象台/高知市立東消防署/

地域の人々・・・。情報リサーチのためのアポイントメントも子ども自身がとる。ここにもプロジェクト学習ならではの視点が生きる。

「調べ学習」のアポイントメントであれば「今度、消防署に行ってもいいですか?」「○○を教えてください」とさらりとなりがちだが、プロジェクト学習にはビジョンとミッションがある。目的意識がハッキリある。

  ビジョン:「私たちの大津を災害に強い町にしたい!」

  ミッション:「大津にくらす人たちのために」

 このために私たちはやっています。だからぜひお願いします!と言える。すると...「それは、本当にいま必要なことだ。」「価値あるいい学習ですね、応援してますよ!」となる。この目的があることで社会の方の協力が大変に得やすくなる。それは、適切で真剣な情報が手に入ることにつながる。なにより子ども自身が、その社会からの手応えで、さらに意欲が湧く。進めれば進めるほど、手応えがあり、ヤル気が増し、焦点が絞れ、解決策がみえてくる。それがプロジェクト学習。「調べ学習」との差は大きい。 
  ・    ・    ・    「情報」--機動力&本格的リサーチ
「どういう防災対策をしていますか」と、子どもは地域の方にインタビューを重ねた。「南海地震の恐ろしさを知っている」という回答は多いが「そのために何かしていますか」という質問に対しては30%を切っていた。(子どもは数が多いので機動力があり、地域や消防署もやったことがないような本格的リサーチとなった。)

「情報」--真に「価値ある知のやりとり」

 この他にも「テレビ電話」を活かし、自分たちが調べた津波の価値ある情報を下川口小学校へ伝え互いに情報交換、知恵をシェアした。下川口小学校は最近、とても大きな水害の被害を受けた学校だ。そこで、真剣なコンテンツが行き交う。それは、「テレビ会議のためのテレビ会議」ではなく、真に「意味ある知のやりとり」だ。

実践のコツ:「何のために何をやり遂げたいのか!」をいつもいつも胸に!  


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